うしろのやつらに涙せよ

それは昨年12月にかかってきた電話でした。
とある仕事での報酬の支払いがひと月早まるとのこと。経理の都合も悪いことばかりではありません。時あたかもクリスマスシーズン真っ最中です。思わぬプレゼントに素早く頭を回転させます。

ン月にいくばくかの入金が望める状況の今この時点で、何をああしてこうしてクリックしちゃったりして注文が確定するとしたら…? 
その代金が引き落とされるのはン月の入金後である。うむ、大丈夫だ。問題はまだ間に合うかどうかだけである。

それから二ヶ月近く過ぎた2014年2月18日のその日、ワタシは武道館にいた。

数年ぶりのクラプトンさんである。前回はあきらめた。今回もあきらめかけていた。
チケットは入手行動が出遅れたためこの日しかなかった。まだチケットがあったのは僥倖である。さすが間に合う男である。
もっとも席は当然、あの転げ落ちそうな二階席のてっぺん一番うしろである。ステージを横から見下ろすのである。
キヨシロー唄うところの立派なうしろのやつらである。←ナニワ・サリバン・ショーを先月テレビで観たばっかりなのだ。

40過ぎてクラプトンさんを聞き出した新参者のワタシでも知ってる曲が多いベストCDのような演目を楽しみ、いい年したおっさんたちはコケイン!と叫ぶのであった。また叫ぶ機会はあるのだろうか。

その日の曲を脳内再生しながら、徒歩帰宅でてくてくと、途中では神楽坂に寄ってケンタスさんで贅沢したり、

もよりのスーパーでは、帰宅後ひとり余韻に浸るための酒とつまみを調達したり、残雪に気をつけてクロスロードを横断したりしながら、自宅のドアをあけるとシュローダー君(おばさん)がキーボードの練習をしていた。
出来るだけその演奏を聞かないように気をつけながらそそくさと風呂へ逃げ込み、さっぱりとして部屋に戻ると練習はまだ続いていた。
そして我が耳を襲ったのはシュローダー君(おばさん)の指先からつむぎだされる銀座カンカン娘の軽快なメロディだった。
全てを吹き飛ばすカンカン娘であった。サンフランシスコ湾のブルースも太刀打ちできない破壊力であった。衝撃を受けた我が頭を駆け巡るは、もう「あの娘かわいや」でしかない。

その夜、家族が寝静まったのち、iPhoneにある曲で必死に素晴らしい夜を取り戻そうとするワタシの姿に天国で涙するものもいたであろう。

一夜明け、かねてより用意されていた弾けないギター(縮尺1/8)はシンナー風呂の刑に処す。

だって、黒いストラトには当たらなかったんだもん。

うしろのやつらに涙せよ」への6件のフィードバック

  1. apuroさん
    うしお(潮)書房光人社の雑誌は丸。
    ととらはチチカカ湖に生えてるそうです。
    浮き島やらボートやら作ってる。ととらすげえ!

  2. クラプトンさんに行かれてたんですね!
    なんて言うか、四国の片田舎には有名な方は来てくださらないのでマイナーな音楽が好きな捻くれ者になっっちゃったみたいです私。

    お肉にくにく。
    食べたいなぁ。

  3. ピコさん
    はい、行ってきました。
    マイナー好きですか。いつか機会があったらおすすめの曲を持ちよって、物悲しい気持ちになる会でも開きましょう。
    そして、涙ちょちょぎれるほどの肉でうっぷんを晴らしましょう。

    ベンチャーズなら田舎にも来てくれる可能性があります。おそらく。
    投書しましょう。

コメントはこちらへ。ログインは不要です。お名前のみで可能です。リンクを含んだコメントは承認制となります。ご了承ください。

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中