たまには美術館に行くこともあるのです。今年はなんとすでに2回も展覧会へ行ってます。すごいなあ、ワタシ。
簡略化された絵
熊谷守一さんの絵というと、猫と御嶽山の絵くらいしか知らなかったのですが、若い頃の絵は隣で観ていた見知らぬおばちゃんがつぶやいていた「青木繁っぽいねえ」という一言に密かにうなづいていたのでした。青木繁さんの絵をよく知らんくせに、ずうずうしいワタシであった。ま、ふつうに想像する油絵であります。青木繁さんとは同級生だったそうで。
なにやら小難しい説明のパネルもまじめに読んで、ちょこちょこ出てくる逸話に面白いおっさんだったようですなあ。音の振動数にこってたり、時計を分解したり、釘を集めたり、なにやら親近感がわきます。よって趣味に没頭するんで絵も簡略化されていったに違いない、なんてね。
むかしの油絵は使用した油が変質してしまって、もともと暗い絵がさらに黒くなってしまい、(あらあ、そんなこともあるのね。油絵はもっと耐久性があるのかと思ってた)なにが描かれているのか、なにがなにやら判別つかないものもあってちと残念。それに額のガラスの反射が強くって暗い色調の絵は見づらかったねえ。関係各部署には善処をのぞみたいぞよ。
描き込まれた絵
生頼範義さんといえば幼い頃から目にし、作者も知らず強く印象に残っていた絵が実は生頼さん作であった。そんな人も多いはず。
ワタシにとってそんな絵はそうそうこれこれ。
ウチには吉川英治全集があったの。小説はぜんぜん読んでないんだけれど、登場人物の肖像画がおまけで付属してて、小学生のころ、本棚に大事にしまってある封筒からペン画を取り出して、一枚一枚、夜な夜な二段ベッドの上で眺めておったのでした。
とここまで書いてからふと思い出したことがあったので、画像検索して調べてみる。
「少年少女世界恐怖小説」全十巻。
これもウチにあった。これは読んだねえ、全部じゃないけど。だって怖いんだもん。ポーの「黒ねこ」とジャクスンの「なぞの幽霊屋敷」は生頼さんだよねえ。かすかな記憶で間違ってるかもしれないけど、ポーのは短編集ではなかったろうか?振り子の話では縛られた人物とせまってくる大鎌、肉汁染み込んだ革紐食いちぎらんとするネズミの挿絵があったんではなかろうか?
ひゃー、怖い。
そして、とある巨大ヒーローを題材にした巨大な絵に描かれた数多くの要素のなかの戦闘機!あのヒコーキは!…
角度、傾き、パース具合。間違いない、昔ワタシが仕事で描いた絵のなかの要素としてはめ込んだ戦闘機とおんなじだ。左右は逆転してるけど同じ資料から描きおこしたに違いない。おおおおおお。間違った連体感を感じるぞお。
生頼展では展覧会としてはめずらしく写真撮影可能な作品群もあって、カシャカシャとあちこちからシャッター音が聞こえてくるのでありました。ちと、うるさい。が、人のことは言えない。ジュラシックパーク単行本、カバー画を拡大したティラノの前で何度も自撮りをしていたのはワタシです。だって空いてたんだもん。
熊谷守一展ではこんなチラシをもらいました。
むむう、興味深いねえ。やっぱ、2001年のロバート・マッコールの絵だよね。マッコールはずいぶん前に展覧会で観たので、そのときの図録は持ってるけど、画集は高くて買えんままじゃ。一度洋書注文したけど数ヶ月後売り切れ在庫なしの返事がきたのだった。インターネットなんかない時代であった。
ボブ・ピークの描いたスタートレックもあるかな?スーパーマン(クリストファー・リーブの第1作)の日本版ポスターはどうだったっけ。ボブ・ピークの絵だったかなあ?
フィルムセンターにもいずれ出動。
にわか解説者の隣は楽しいです。私も行かなきゃ。
今年もよろちくです。
tnmodeleさん
お、行きますか。どっちも面白いですよ。
にわか解説者はどっちが強力かなあ。うっとおしいこともあるしね。
では、また機会を見つけて飲んだくれましょうぞ。
生頼範義展、名古屋ぐらいの東海地区でもやらんかなぁ
ぴろんちょさん
そうだねえ。主要都市巡回展でもあったらいいんだけどねえ。
これまでも何回か開催されてるけど、宮崎だったからねえ。さすがになかなか行けんよ。